晴読雨読ときどき絵

[poti-espresso’s diary」本や絵や趣味の日記

お知らせ

おはようございます!

こちらのブログではお久しぶりです。

 

6月に実は新しいブログを立ち上げました↓

画像にリンクが貼ってありますのでよろしければ遊びに来てください((((oノ´3`)ノ

 

こちらのブログは保存という形になります。

 

はてなブログさんで長い間お世話になって本当に感謝です。

たくさんの☆やコメントありがとうございました。

 

それでは!

 

ぽち

6月の目標

おはようございます。

 

最近寒暖差が激しいですね!

台風一過で天気はよくなりましたが、冷房を点けるか点けないかで悩む日々です。

 

今回は6月の目標について書いていこうと思います。

 

6月の目標

 

心機一転

実は言うと、5月の最後の方から
新しいブログを立ち上げているところです!
 
Wordpressさんで立ち上げているのですが、今使い方に苦戦しているところです。
今のうちにやっておいたほうがいいことって何があるんでしょうか??
 
グーグルアナリティクスとサチコはいれたのですが・・・。
まだ使いきれていないので、微調整しつつ覚えていこうと思います。
 

4コマ漫画を描く

Twitterで見た方はご存じかもしれませんが、初めて漫画を描きました!
 
iPadを昨年買ったのですが、その時の主な目的は
 
漫画を描きたかったからです!
 
今回やっと描くことが出来てめちゃくちゃうれしい!
そして、自分でも描けるってことが証明されてうれしいです。
 
漫画は日常や本の内容に沿ったものにしたいと考えています。
ちなみに、その漫画はこちら↓
f:id:poti-espresso:20230604133835j:image

 

赤い月の香りを読んで、「他の人にも読んでほしい」って思って今回描かせていただきました。

 

今後は人物紹介とともに「次に何読もう?」って悩んでいる人などに向けて発信していきたいと思います。

 

まとめ

新しいことを2つ始めようとしているのでワクワクが止まらなくて若干睡眠不足です(笑)
集中すると睡眠が短くなってしまう傾向にあるので気を付けたいと思います。
 
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは!

和菓子のアン

おはようございます。

 

お題「積読解消報告」

 

今回は坂木司さんの作品「和菓子のアン」を読了しましたので、紹介したいと思います。

 

和菓子の奥深さを知ることが出来る本

 
 

 

さて、いつもはしないのですが、登場人物の紹介です。

 

杏子(きょうこ)

通称アンちゃん。

少しぽっちゃり体型で愛嬌のある18歳。

 

桜井さん

大学生の小柄な女の子。元ヤン。

 

椿店長

凄腕店長。女性。しかし、中身は賭け事大好きなおっさん。

 

立花さん

イケメン。しかし、中身は乙女。

 

登場人物が濃すぎて書かずにはいられませんでした!

 
目次

 

あらすじ

デパ地下の和菓子店「みつ屋」で働きはじめた梅本杏子(うめもときょうこ)通称アンちゃんは、ちょっぴり(?)太めの十八歳。
 
プロフェッショナルだけど個性的すぎる店長や同僚に囲まれる日々の中、歴史と遊び心に満ちた和菓子の奥深い魅力に目覚めていく。
 
謎めいたお客さんたちの言動に秘められた意外な真相とは?
 
読めば思わず和菓子屋さんに走りたくなる、美味しいお仕事ミステリー!
 

(文庫本裏より)

 

こんな人におすすめ

  • 和菓子について知りたい
  • 食べることが好き
  • 人の死なないミステリーを読みたい

 

面白すぎて一気読みしてしまいました。

 

アンちゃんが私の中で親近感しかないです!

体型的な意味で(笑)

 

食べるのが大好きというのも共感しかない!

物語の内容は、そのアンちゃん(杏子)が、デパ地下にある和菓子屋さんで働くようになり、次々と不思議な出来事に遭遇する、「人が死なないミステリー」となっています。

 

そのため、過激な表現が苦手な方には特におすすめです!

 

雰囲気は赤毛のアンに近いけど、主人公がめちゃくちゃしゃべるわけではないです。

個性豊かな登場人物がスパイスとなっていますが。

 

私の中で乙女な立花さんが一番ツボですw

 

心に響いた言葉

P215

「知識なんざ。あっとからどうにでもなる。でも愛嬌と説得力は勉強して身につくもんじゃないからな」
 
私は「いつも楽しそうだね」ってよく言われます。
それが言われすぎてちょっとコンプレックスだったこともあります。
 
「悩みがなさそう」「何も考えてなさそう」。
割とそう言われてきたのでニコニコしてるのが悪いことのように思ってしまうこともありました。
けど、それは自分の長所であることをちゃんと理解したいと思いました。
 
愛嬌はともかく「説得力」を持ちたいです。
楽しいことを楽しいと、美味しいものを美味しいと伝えられる説得力を今後伸ばしていきたいです。
 

P370

謎が謎である以上、解かれることはある意味で必須だ。ただ、解かれなくても意味はある。

 

店長の秘密について知ったアンちゃんと立花が導き出した答え。

 

ミステリーって、最終的には人を追い詰めたり解くことによって人を傷つけたりすることもある。

なので、あえて解かないという選択肢があることをこの文を読んで知りました。

 

謎を読みたい心理があっても、あえて解かないでおく。

心にそっとしまっておくのも優しいミステリーでいいですよね。

 

あとがき

読んだ後、和菓子を買いに行ったのは言わずもがな。

 

日本人ってほんとダジャレ好きだなーwって思うことはしばしばあるのですが、この物語には色濃く出ているように思いますw

 

ってことで、今回は坂木司さんの作品「和菓子のアン」でした。

いかがでしたでしょうか?

選書の参考になれたらうれしいです。

 

 

表紙を見るだけで食べたくなるー!

 

以下「和菓子のアン」のネタバレです。

気になった方は本作を読んでからぜひ読んでください。

 

ネタバレ
立花さんが乙女で可愛すぎて本当の女性たちが薄れてしまうのが面白かったですwアンちゃんと立花さん良い感じだと思うんだけど、やっぱり乙女なのが受け入れられないのかな?w今後どうなっていくのか期待しています。割といい雰囲気だと思うんだけどなー。決して立花さんも男の人が好きなわけではないらしいので。次のアンと青春だったら赤毛のアンシリーズそのものと考えると・・・?次が楽しみで仕方がないです。
 

母性

おはようございます。

 

お題「積読解消報告」

 

今回は湊かなえさんの作品「母性」を読了しましたので、紹介したいと思います。

 

親子について考えさせられる作品

 

 

目次

 

あらすじ

女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。

 

母親は言葉を詰まらせる。

 

「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。

 

世間は騒ぐ。

これは事故か、自殺か。

 

・・・甦ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。

 

母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。

 

これは事故か、それともー。

 

圧倒的に新しい「母と娘」を巡る物語(ミステリー)。

 

(文庫本裏より)

 

こんな人におすすめ

  • 親の気持ちが分からない
  • 子供の考えてることがわからない

 

この本は割と読むのが辛かった本です。

 

母の母親依存は読んでいて少し辛いところがある上に、母性とは何かという私にはないものを問われているような気がして。。。

 

依存してるゆえに、自分自身は母性を持っていない中の子育てはさぞかし辛いだろうなと思いながら読みました。

かといって、体裁上ではしっかり母親としての勤めも果たしている。

 

娘と母との思い出のすれ違いがさらに辛くなりました。

けど、最後まで読んでほしい。

 

最後には少し報われているように感じるので。

 

誰よりも優しい人はきっと誰よりも苦労することを痛感しました。

 

心に響いた言葉

P32

あなたを産んだときに思ったの。わたしはこの世に何も残せなくても、わたしの子どもは何か残すことになるかもしれない。その子が残せなくても、その子が産んだ子が何か残すことになるかもしれない。でもそうなるのは、わたしという存在があったから。
 
自分が妊娠していることを知り、怯える娘に母親がかけた言葉。
 
私は子供を産んだことがないけども、たぶん同じ気持ちになるだろうな・・・。
と思いながら読みました。
子供を産んだ人には特に頭が上がりません。
 
産むことによってこの世に何かを残すことが出来るかもしれない。
そんなふうに考えられたら産むのも「怖い」よりも「楽しみ」が増えそうで良い考えだなと思いました。
 

P286

「子供を産んだ女が全員、母親になれるわけではありません。母性なんて、女ならだれにでも備わっているものじゃないし、備わってなくても、子どもは産めるんです」

 

この言葉は痛いほど分かる・・・!

「子供苦手なんだ」って言うとたいていの人は「私も苦手だったけど産んだら好きになった」って言われます。

それに割と疑問に思う私もいて。

 

動物でも育児放棄してしまうんだから、人間も動物である限り育児放棄してしまうこともあるのでは?と。

 

虐待のニュースを見たりすると自分も十分にあり得ると考えてしまいます。

 

だから、ある意味ではこういう言葉はホッとしてしまいます。

 

あとがき

母親と娘の対話はほとんどないけれど、お互いが語り手となっているのでどちらが本当のことを言っているのか分からなくなる時がありました。

たぶんお互いの受け取り方や感じ方が違うから。

 

それもまた人であり親であり娘である証拠なんだと思います。

 

ってことで、今回は湊かなえさんの作品「母性」でした。

いかがでしたでしょうか?

選書の参考になれたらうれしいです。

 

 

以下「母性」のネタバレです。

気になった方は本作を読んでからぜひ読んでください。

 

ネタバレ
最後まで嫌な人だと思っていた旦那のお母さん。どんな形であれ、母親は母親なんだなと思った瞬間でした。娘を助けたのは本当にお手柄!だからってこれまでに母親をいじめていたのには変わらないけれども…。いい子をしたら0になるわけではないけれど、見る目が少し変わりました。逆に旦那がクソすぎて。最後に愛人は死んだのか、それとも生きているのか分からないのがなんとも後味の悪い感じはします。流石イヤミスの女王、湊かなえさん。
 

2023年4月読書メーターまとめ

おはようございます。

今回は4月分の読書メーターまとめです。

4月は5冊読むことが出来ました。

割といいペース!

 

4月の読書メーター
読んだ本の数:5
読んだページ数:1548
ナイス数:121

 

読了

万事快調(オール・グリーンズ)

 
万事快調〈オール・グリーンズ〉万事快調〈オール・グリーンズ〉感想
映画の名前とか曲の名前とか小説の名前がたくさんでるため、自分の知識量が問われてる気がしました(笑/気のせい)文章が今時!流石若い作家さんが書いただけあっておしゃれ!この方の作品を他のも読みたいと思える作品でした。内容は簡単に言うと女子高生3人(朴、矢口、岩隈)が学校の屋上で大麻を育てる話です。やっていることをやばいのに、ロックな口調とユーモア溢れる文章に引き込まれて最後まで面白く読むことができました。このあらすじと同様、最後まではちゃめちゃな展開が繰り広げられています。
読了日:04月11日 著者:波木 銅

 

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 蹴りたい背中 (河出文庫)蹴りたい背中 (河出文庫)感想
綿矢りささんの本はインストールしか読んだことがありませんでした。この本は思春期の男女が徐々に近づき、やがて恋人になる。。。というような、簡単なものではないです。ハツは人間関係に疲れて、自ら孤独になっている陸上部の高校1年生。にな川は、オリチャンというモデルのファンで、オリチャンに会ったことのあるハツに興味を湧きます。その興味も、決して恋愛とかに繋がるような関係ではなく、その歳特有の距離感を感じました。好きとか嫌いとか友達とか恋人とかそうでないとか、そういう固定概念をサラにする、心地いい小説でした。
読了日:04月12日 著者:綿矢 りさ

 

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白ゆき姫殺人事件
 

 白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)白ゆき姫殺人事件 (集英社文庫)感想
この作品は、今の社会現象の風刺画的作品と思ってもいいような気がします。何が怖いって、白雪姫と言われる被害者は完全に善良な美人で片付けられ、犯人と疑われている人物に対しては完全なる悪と決めつけ、根掘り葉掘り過去をまさぐられ、挙げ句の果てではネットで実名を公開される。所謂「私刑」というものが横行されていること。今の世の中を気味悪く、不快に描写されており、登場人物が全員悪者に思えてきます。自分に関わっている人も多分そうなんだろうなと思うとなんとも言えない気持ちになりました。手のひら返しをした後に残るのはなんだろ
読了日:04月15日 著者:湊 かなえ

 

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夢をかなえるゾウ

 夢をかなえるゾウ夢をかなえるゾウ感想
小説とビジネス書が融合されたと言っても過言ではない作品。これは、どちらに分類されるのだろう?中身はガネーシャというインドの神様が突然現れ、ある会社員にいくつもの課題を与えると言う内容。ビジネス書が苦手な人や、学生はもちろんのこと、新社会人にぜひとも読んで欲しい作品です。きっと、ガネーシャの課題をこなすことによって人生を大きく変えることができると思います。読書初心者にもおすすめなくらい読みやすく、コミカルな表現がたくさん盛り込まれているため、少し分厚いですがサラリと読み終えることができます。継続は力なり。
読了日:04月21日 著者:水野 敬也

 

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虹の岬の喫茶店

 
虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)虹の岬の喫茶店 (幻冬舎文庫)感想
森沢明夫さんの本2冊目ですが、やっぱり中身はやさしい物語になっており、心が洗練されます。汚い感情が洗い流され、癒されました。喫茶店に訪れる人によって選曲される音楽を流しながら読みました。私は「アメイジング・グレイス」と「ザ・プレイヤー」という曲が気に入りました。知ってる方も多いのではないでしょうか。本を通して音楽を知るのは、恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」以来でしたが、やはり音楽を楽しみながら作品を楽しむのもいいですよね。心に傷を持っている人が訪れ、ピッタリの音楽と美味しいコーヒーに癒される心温まる物語でした。
読了日:04月27日 著者:森沢 明夫

 

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まとめ

相変わらずジャンルがバラバラですね(笑)

この中だと1番好きな作品は「白ゆき殺人事件」ですかね。

今の時代を象徴していると言っても良い作品です。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

それでは!

透明な夜の香り

おはようございます。

 

お題「積読解消報告」

 

今回は千早茜さんの作品「透明な夜の香り」を読了しましたので、紹介したいと思います。

 

皆さんはプルースト効果って知っていますか?

 

私は知らなかったです。

 

 

 

目次

 

あらすじ

元・書店員の一香は、古い洋館の家事手伝いのアルバイトを始める。
 
そこでは調香師の小川朔が、幼馴染の探偵・新城とともに、客の望む「香り」を作っていた。
 
どんな香りでも作り出せる朔のもとには、風変わりな依頼が次々と届けられる。
一香は人並み外れた嗅覚を持つ朔が、それゆえに深い孤独を抱えていることに気づきー。
 
香りにまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。
 

(文庫本裏より)

 

こんな人におすすめ

  • 調香師という仕事を知りたい
  • お店がモチーフのお話が読みたい
  • 香りについて知りたい

 

読んでいくうちにどんどんと引き込まれていく作品でした。

この小説を読んで、調香師という職業を初めて聞きました。

 

人よりも鋭い嗅覚を持つ朔さん。

はたして幸せになる術があるのだろうかと思っていましたが、登場人物である、新城や源さんや一香がいるだけで満たされているのではないでしょうか。

 

こういう不思議なお店系の物語はお客さん一人一人に物語があり、商品の効果が人によって違うところが面白くて好きです。

物語に引き込まれて、途中からは一気読みしてしまいました。

 

香水の匂いで人を思い出すことをプルースト効果というそうですが、私も何度も感じたことがあるので、記憶が蘇る様は共感しかなかったです。

 

特に香りというものは、五感の中で一番記憶に残るそう。

 

心に響いた言葉

P55

「香りは脳の海馬に直接届いて、永遠に記憶される」
 
忘れられない香り、懐かしい香り、皆さんはありますか?
私はあります。
花の香りも好きだけど、干したての布団の香りや、人も香りも・・・。
 
「無臭」って思っていても実は人は無意識ににおいを感じていたりするみたいですね。
 

P95

「自分を怖がるのは仕方がないけど、目の前のモノをよく見ずに恐れるのはとても損。

 

まだ調香師の朔のことがあまり分からず、恐れてしまっていた主人公の一香。

そんなとき、常連のお客さんであるミツコというお婆さんが言った言葉。

 

ミツコさんは昔、戦争が起きていた時に大人たちが「鬼畜がやってくる!」「この国も終わりだ!」と嘆いていたけど、実際は嗅いだこともない香りの甘いお菓子をくれる米兵さんだったという。

 

知らない人で、初めて見るものにはどしても警戒してしまうのが人間であって、実際に知って、使って初めて受け入れることが出来るのも人間だと思います。

 

それなら、ただ怖がるだけじゃなくて知ることで新しいものを取り入れていけるようになりたいとです。

 

P202

子供はいつだって親に嫌われないか心配なんです。大人になってそのことを忘れてしまうのは、一人で生きていけるようになるからですよ。
 
確かに幼いころは親の顔色をめちゃくちゃ、うかがっていたのを覚えています。
それは、人間の本能なんだと私は思います。
 
だって、親に見捨てられたら子供は生きていけないから・・・。
 
大人になったらもう一人で生きていけるからそんなこと忘れてしまうのも仕方がないことだけど、子供には親が必要であるということはちゃんと頭に入れておきたいです。
 

あとがき

不思議な世界に迷い込んだような気分で読むことが出来ました。

 

最後の一香と朔の関係性は素敵です(*‘ω‘ *)

「執着」と「愛着」の違い、説明できますか?

 

ってことで、今回は千早茜さんの作品「透明な夜の香り」でした。

いかがでしたでしょうか?

選書の参考になれたらうれしいです。

 

 

 

表紙がおしゃれでおどろおどろしい感じだけど中身は全然違います!

 

以下「透明な夜の香り」のネタバレです。

気になった方は本作を読んでからぜひ読んでください。

 

ネタバレ
最後の「執着」と「愛着」の違いは最後の新城の言葉が良かったです。本文にはネタバレになるので書けなかったのですが・・・。「俺さ、結局あいつにこう言ったの。相手が嫌がっても手放さないのが執着だって。愛着はちょっと穏やかすぎて俺にはうまく説明できねえけど、執着はもう自分しか見えなくなっちまっている状態だって。お前の鼻なら相手が嫌がっているかどうかわかるだろって」美容師の変態監禁野郎と一香を雇っている朔との違い。私は一目瞭然に思えたけど、男性は割と分からないのか、それとも朔が人と接してなさすぎて感情が分からないだけか・・・。多分後者だと思いますが。この話は続きがあるけど、果たして、一香は出てくるのでしょうか?楽しみにしたいと思います。
 

夏美のホタル

おはようございます。

 

お題「積読解消報告」

 

今回は森沢明夫さんの作品「夏美のホタル」を読了しましたので、紹介したいと思います。

 

童心に戻りたくなる本

 

 

 

目次

 

あらすじ

写真家志望の大学生・相羽慎吾。
卒業制作間近、彼女の夏美と出かけた山里で、古びたよろず屋「たけ屋」を見付ける。
 
そこでひっそりと暮らす母子・ヤスばあちゃんと地蔵さんに、温かく迎え入れられた慎吾たちは、夏休みを「たけ屋」の離れで暮らすことに。
 
夏空の下で過ごす毎日は、飽きることなくシャッターを切らせる。
やがて、地蔵さんの哀しい過去を知った慎吾は、自らできることを探し始めるが・・・。
 
心の故郷の物語。
 

(文庫本裏より)

 

こんな人におすすめ

  • 田舎が好き
  • 温かい気持ちになりたい
  • 癒されたい
  • 思うようにならなくてつらい

 

中盤涙が止まらない展開となり、ボロボロ泣きながら読みました。

 

登場人物はどこまでも優しく人情味あふれる人が多く、その中でも優しさの形はそれぞれあること知ることができる作品です。

 

自分が一番最初に授かっているもの、『名前』について考えたことがなかったので、考えるいい機会となりました。

どういう気持ちで、どういう思いが込められているか。

そして、それは最初で最後の形のない『形見』となる。

そういう風に考えたことなんてなかったし、形見というのはものしかないと思っていたので目から鱗でした。

 

また、私なら知らないお宅に訪問することはとてもできないですが、夏美の素直な性格が全てを好転しているようで羨ましく思ってしまいました。

そして、親子についても考えさせられました。

親子にもたくさんの形があり、型にはまることに囚われなくて良いと言われてる気がしました。

 

心に響いた言葉

P16

神は細部に宿る。だからこそ、爪の先ほどの妥協もするなー。
 
雲月がまだ仏師の修行をしている最中に師匠からもらった言葉。
この言葉は、仏師はもちろんのこと、他の職業にも精通すると思います。
 
この言葉単体では正直心に響きませんでしたが、雲月が師匠に教えてもらって、それを口下手な雲月が誰かに伝授したということに感動しました。
こうやっていろんな垣根を越えてちゃんと繋がっていくのってなんかいいなと思いました。
 

P122

考えてみれば、名前ほど親の想いが込められたモノはそうそうないような気もする。しかも、名前は形のないモノだから、壊したり、失ったりすることもないのだ。そう考えると、これ以上の形見はないようにも思えてくる。ぼくの慎吾という名前も、いつか父が逝った後に、形見になるのかもしれないーそう思うと、これまでほとんど気にしたことのなかった自分の名前にたいして、しみじみとした親しみを感じるのだった。
 

冒頭にも書きましたが、本当に目から鱗でした。

親が亡くなった後に何もなく虚無になることもあるかもしれません。

けど、自分の名前がある限りどんなに遠くに離れていても身近に感じることが出来る。

 

そう思うと名前って本当に大事だなと実感しました。

 

P339

どうせなら、別れがとことん淋しくなるように、出会った人とは親しく付き合っていきたいですし、そのためにも、いつか必ず訪れる別れの時を想いながら、自分の目の前に現れてくれた人との「一瞬のいま」を慈しみたいと思います。
 
これは「あとがき」で森沢さんが書かれた文章の一部です。
この言葉からわかるように森沢さんは人と人のつながりを大切にしているんだなということが伝わってきます。
 
私の場合「どうせ分かれるんだから淋しくならないように」という考えのもと行動していることが多いので、森沢さんの「どうせなら、別れをとことん淋しくなるように」という考え方には驚きました。
 

あとがき

途中でとぎれとぎれにしか読めないくらいにボロ泣きしてしまいました。

 

ってことで、今回は森沢明夫さんの作品「夏美のホタル」でした。

いかがでしたでしょうか?

選書の参考になれたらうれしいです。

 

 

表紙にもあたたかみを感じますね(*‘ω‘ *)

 

以下「夏美のホタル」のネタバレです。

気になった方は本作を読んでからぜひ読んでください。

 

ネタバレ
地蔵さんが倒れてからの話の展開に涙が止まりませんでした。夏休みだけの出会いだったけど、それだけ人に温かくできるところも思いやりのある行動も感動しかありませんでした。地蔵さんの地蔵菩薩をプロの仏師である雲月が彫り、それが大切にされている姿は思い出を大切にする気持ちが伝わってきてこちらの心も温かくなりました。最後の慎吾のプロポーズの言葉「三つ目の喜びを、俺にくれないか?」は素敵すぎる!!地蔵さん(恵三)の三つの恵みである「この世に生まれてくる喜び」「親に愛される喜び」「伴侶と一緒に子供の幸せな姿を見る喜び」。その中の三つ目をーって言葉には、地蔵さんの願いも乗っているようで、更に泣いてしまいました。