おはようございます。
今回は凪良ゆうさんの作品「流浪の月」を読了しましたので、紹介したいと思います。
2020年本屋大賞受賞作品で、映画化されます。
このアイスクリームの表紙もいいですが、今回私は映画化記念の限定表紙デザインを購入しました。
本当は別の本を買う予定だった。
限定モノに弱いのです…w
けど、読んでいくうちにアイスクリームのほうが絶対に合っている気がします。
凪良ゆうさんは初めて読む作家さんですが、BLをもともと書いていたと聞いて驚きました。
なるほど、スラスラ読める文章とか距離感とかなんとなく納得するかも…?
ってことで、あらすじから。
【あらすじ】
あなたと共にいることを、世界中の誰もが反対し、批判するはずだ。
わたしを心配するからこそ、誰もがわたしの話に耳を傾けないだろう。
それでも文。わたしはあなたのそばにいたい—。
再会するべきではなかったかもしれない男女がもう一度出会ったとき、運命は周囲の人を巻き込みながら疾走を始める。
新しい人間関係への旅立ちを描き、実力派作家が遺憾なく本領を発揮した、息をのむ傑作小説。(単行本より)
こんな人におすすめ
- 事実と真実の違いを知りたい
- 好きだけれども周りの好きとは違う気持ちを知りたい
あらすじが少し分かりづらいのでざっくりと。
自由で天真爛漫な更紗(さらさ)は大好きな両親のもとで幸せに育ちます。
夕食の時にアイスクリームを食べたり、綺麗なお酒の空き瓶を集めたり。
しかし幸せは長く続かず、父が他界してしまい、母は更紗を置いて出て行ってしまいます。
両親がいなくなってしまった更紗は伯母さんの家に引き取られ、更紗はこれまでと違った窮屈な暮らしを強いられます。
そして、夜になると伯母の息子、孝弘の手がー…。
そんな中、公園で遊んでいるとよくベンチで本を読んでいるフリをしながらこちらを見ている青年の姿を見かけるようになった。
ある日どうしても家に帰りたくない雨の日に、ベンチに座っていたら青年が話しかけてきました。
「帰らないの?」
「帰りたくないの」
「うちにくる?」
「うん」
ここから、青年・文と更紗は出会い、お互いに惹かれるようになりました。
家にいても孝弘のことがあり、恐怖で眠れなかった更紗は、文の家に行くことで安心してぐっすりと眠ることができ、夜ご飯にアイスクリームを食べたり、両親と暮らしていた時のように振る舞うようになりました。
誘拐という形で世間が騒いでいたにもかかわらず、二人は幸せな暮らしをするように。
だけど、やはり幸せは長くは続きませんでした。
一緒に暮らして二か月したころ、動物園のパンダを更紗が見に行きたいと頼んだのです。
文は断らず、一緒に動物園へ。
動物園に着くと、すぐに通報をされてしまい文と更紗は引き裂かれてしまいました。
周りから見たら誘拐犯と被害者である文と更紗。
更紗はあの時のことを後悔しながら生きていくことに。
その後、孝弘が部屋にやってきたときに酒瓶で殴ったため更紗は児童養護施設に引き取られます。
あれから15年が経ち、更紗はある喫茶店に入ります。
そこで、文と再会し…。
更紗は周りから「ストックホルム症候群」と言われ、真実を捻じ曲げられ生きていくしかない文と更紗。
しかし、二人はどうしても惹かれ合う。
その感情は愛ではなく、ただそばにいたいだけ。
読んでいくうちに事実と真相の違いを突きつけられる。
これまで自分のしてきたことが正しいのか否かがわからなくなる一冊。
そして、文の秘密とは—。
読了後はとてもいい余韻に浸ることが出来ました。
サラサラと読めるけれど、内容が考えさせられるだけに軽すぎない。
優しさとか正しさとかって人によるから自分の考えを一方的に正しいと思い込むのって良くないなと思いました。
事実と真実の違いについても考えてみました。
事実は「事件」の名前であって、真実はそれにかかわった人たちの「真相」なのかなって。
もしかしたら違うかもしれないけど、自分で納得する分にはいいのかもしれない。
国語辞典をひいても、二つは同じ意味だと出るけど、私はこうやって区別出来たらなって思いました。
心に響いた言葉
P75 白い目というものは、被害者にも向けられるのだと知ったときは愕然とした。いたわりや気配りという善意の形で『傷物にされたかわいそうな女の子』というスタンプを、わたしの頭から爪先までぺたぺたと押してくる。みんな、自分を優しいと思っている。
確かに、誘拐事件とかを見てるとかわいそうにって思うことが多々ある。
それは、これまでの犯人が殺人やそういうことをしでかした人が多かったからということなんだろうけど、決めつけは確かに良くないなと思いました。
文は「南 文」と改名したけど、更紗はそのままの名前で生きていくわけだから被害者の本名をテレビに出すのに疑問を覚えてしまう。
解明すればいいのかもしれないけど、更紗の場合もういない両親からもらった名前を変えるのは難しいことだろうし。
はやく事件を解決するには必要なことかもしれないけど、行方不明の子供を探すときに毎回本名を出すのは確かにどうなのかとは毎回思うかな。
しかも、事件の名前がそれだから生きづらそう。
今回は凪良ゆうさんの「流浪の月」について紹介しました。いかがでしたでしょうか?
最後まで読んでいただきありがとうございます。
それでは!